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全てのお客様に喜んでいただけるCFRP製品を開発する ~Go-Tech補助金の活用~

2025.10.01

事業所名:丸隆工業株式会社
事業内容:治具の設計・製作、重要保安部品の加工、炭素繊維事業
所 在 地 :福島県会津若松市門田町工業団地15-1(門田工場)
H  P:https://www.marutaka-ind.co.jp/

企業概要

丸隆工業株式会社は、治具の設計・製作、重要保安部品の加工、炭素繊維事業などを行うものづくり企業です。1938年に東京都で創業し、創業者の出身地である会津若松市に工場を構えてから50年以上、大手トラックメーカーや農業機械メーカーのニーズに合わせ、高品質な製品を迅速に提供してきました。お客様とともに未来を創造することをビジョンに掲げ、技術革新で多くの人々・社会の発展に貢献していくことを目指しています。

門田工場
治具の例(加工する部品の固定や位置決めに用いる)

制度活用のきっかけや活用内容

人材採用が難しい環境となり、単純な事業拡大とはいかなくなる中、将来を支える利益率の高い事業を創造していこうと着目したのがCFRP(炭素繊維強化プラスチック)でした。CFRPは、製造技術やコスト面に課題がある一方、金属と比べて軽量、高剛性、錆びないなど、従来の金属製治具を代替し得る多くの利点があります。
そこでCFRP製治具の実現に取り組むことを決めましたが、その際、資金調達の面だけでなく、会社が持つ技術の付加価値や外からの評価を更に高め、社員にもその可能性を感じてもらえるよう、高度な研究開発補助金として知られる経済産業省のGo-Tech事業にチャレンジすることを決めました。
平成29年度当センターに相談されて翌年度の公募から挑戦し、令和4年度遂に採択に至りました。

競争的研究資金獲得支援事業について

当センターでは、県内の中小企業等による新製品や新技術の研究開発を促進するため、国等が公募する競争的研究資金の活用を支援しています。
今回活用したGo-Tech事業(成長型中小企業等研究開発支援事業)は、当センターが事業管理機関として参画するとともに、申請書のブラッシュアップから採択後の進捗管理までを伴走的に支援しています。

競争的研究資金名 Go-Tech事業(経済産業省成長型中小企業等研究開発支援事業)
補助事業期間 2~3年
補助上限額 3年間で最大9,750万円
補助率 (中小企業)2/3以内 (大学・公設試)定額
対象者 中小企業、大学・公設試、事業管理機関等からなる共同体
対象事業 中小企業が大学・公設試と連携して行う事業化を見据えた研究開発

企業の声

3年間取り組んだ結果、まだ改良の余地はあるものの、会社の基礎技術は著しく向上し、お客様への治具試作品の提供にまで到達することができました。その研究成果にはお客様も驚かれるなど、弊社が技術的な優位性を築くのに大きく貢献したと思います。
さらに今回の研究開発を通して、県内や東北の多くの企業と繋がりができたことが予想外の収穫となりました。以前はお客様以外の企業と接する機会はほとんどありませんでしたが、研究開発を進める中で、他の企業や公的機関に相談したり協力いただくことで、地元とのネットワークを築くことができました。
昔は製造業同士はライバルだったかもしれませんが、海外との競争に重心が移っていく中、これからはお互い欠かすことのできない運命共同体です。弊社としても、高品質な治具の供給という役割をしっかりと果たしていかなければなりません。今回の研究成果を基に、CFRP製品の供給を広め、CFRPが特別なものでなく、普通に使ってもらえるようになることを目指します。

実現した肉厚58mmのCFRP成形品
CFRP製治具(開発品)の例

問い合わせ先

技術振興課
TEL:024-959-1951
FAX:024-959-1889
E-mail:f-tech2@f-open.or.jp